タイ・バンコクへの旅行でよく使われるタイ国際航空は非常に質の高いサービスで有名です。ただ、マイレージプログラムの使い勝手はあまり良くありません。同じスターアライアンスのANAでマイルを貯める方が多いことでしょう。
もっとも、タイ旅行の多いヘビーユーザーであれば「ロイヤルオーキッドプラス」でマイルを貯めるメリットも出てきます。そんな訳で、今回はタイ国際航空のマイルを貯めるメリットとデメリットを比べていこうと思います。
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タイ国際航空のマイルはANAに積算することができる
タイ国際航空は「ロイヤルオーキッドプラス(ROP)」というマイレージプログラムを提供しています。特に何も考慮しなければ、ついつい申し込みをしてしまいそうなプログラムです。
ただ、ちょっと待ってみてください。果たして、今後利用するか分からないマイルをわざわざ貯める価値はあるのでしょうか?
冒頭に紹介した通り、タイ国際航空のマイルはANAのマイルに積算することができます。所属が同じスターアライアンスであるためです。
スターアライアンスの加盟航空会社 | ||
---|---|---|
ユナイテッド航空 | ルフトハンザドイツ航空 | エア・カナダ |
スカンジナビア航空 | タイ国際航空 | ニュージーランド航空 |
全日本空輸(ANA) | シンガポール航空 | オーストリア航空 |
アシアナ航空 | LOTポーランド航空 | アドリア航空 |
クロアチア航空 | TAP ポルトガル航空 | 南アフリカ航空 |
スイス インターナショナル エアラインズ | 中国国際航空 | ターキッシュ エアラインズ |
エジプト航空 | ブリュッセル航空 | エーゲ航空 |
エチオピア航空 | アビアンカ航空 | コパ航空 |
深圳航空 | エバー航空 | エア・インディア |
実際問題として、日本にいる限りはANAのマイレージプログラムの方が色々と便利な点があります。ライトユーザーであれば、間違いなくANAのマイルで貯めたほうがお得にマイルを消化することができますね。
タイ国際航空からANAマイルへの積算率
注意点が1つあります。積算率の問題です。一部のエコノミークラスではマイルが加算されません。
理由はマイルの積算率が予約クラスによって変わってくるためです。この点には注意しましょう。
タイ国際航空のマイルをANAに振り替える場合の積算率は以下の通りです。
エコノミークラスのマイル積算率 | ||
---|---|---|
予約クラス | タイ国際航空 | ANA |
Y/B/M/H/Q | 100% | 100% |
K/T/S | 75% | 75% |
G | 50% | 0% |
V/W | 25% | 0% |
L | 0% | 0% |
タイ国際航空でANAのマイルを貯めるメリット
前述の通り、基本的にはライトユーザーはANAのマイルで貯めた方が多くのメリットを享受することができます。理由は少量のマイルでも消化しやすいからです。
ANAのマイレージプログラムにはショッピングでマイルを消化したり、他社のポイントに交換できたりする制度があります。
まずは、ANAでマイルを貯めるメリットから確認していきましょう。
ANAのマイルは利用先が豊富
最初に思いつく点が利用方法です。ANAのマイレージプログラムでは少量のマイルであっても消化することができる制度が色々とあります。
ざっと言って、以下の制度で消化する方法がライトユーザーにはおすすめです。
- ANAショッピング「A-Style」で1マイル=1円として利用する
- ANAセレクションで特典品と交換する
- 1マイル=1ポイントとして他社ポイントに交換する(iTunesのギフトコードや楽天Edyへのチャージなど)
- ANAスカイコインに交換して航空券の支払いに充てる
座席のアップグレードや特典航空券との交換に必要なマイル数に届かなくとも、ANAのマイルであれば少量から利用価値が生まれてきます。これはタイ国際航空のマイレージプログラムにはない特徴です。
特典航空券はANAの方が必要マイル数が少ない
もう少しマイルを貯めて、特典航空券と交換する場合もANAの方がお得になります。というのも、ANAだと特典航空券に必要なマイル数がタイ国際航空よりも少なく設定されているためです。
タイのバンコクへのフライトで考えてみましょう。以下はバンコクへの特典航空券との交換に必要なマイル数を比較した表です。
タイ国際航空 | ANA | |
エコノミークラス | 45,000 | 35,000 |
ビジネスクラス | 75,000 | 60,000 |
ご覧の通り、ANAであれば1万マイルも少ないマイル数で交換することが可能です。ANAとタイ国際航空のマイルの価値はほぼ等価ですから、純粋にANAの方がお得にバンコクに行くことができるのです。
もちろん、タイ国際航空のサービスの方が良いという声もあります。ただ、やはり1万マイルの差は大きいと感じます。
ANAのマイルは色々な手段で補充可能
マイルが中途半端に余ってしまった場合でも、日本にいれば色々な手段でANAのマイルを貯めることができます。
例えば、クレジットカードの利用です。陸マイラーになれば飛行機に乗らずともANAのマイルを貯めることができるのです。特にソラチカカードはANAのマイルを貯めるのに非常に優秀なクレジットカードで、多くの陸マイラーがこれでマイルを貯めています。
さらにソラチカカードを利用すれば、ポイントサイトからもANAのマイルを貯めることも可能です。この方法を利用すれば、特典航空券との交換に必要なマイル数なんて1年もあれば貯めることができます。
そんな訳で、飛行機にあまり乗らないライトユーザーにとっては、ANAのマイルを貯める方が役に立つことが多々ある訳です。
あえてロイヤルオーキッドプラスでマイルを貯めるメリット
ライトユーザーにとっては厳しいタイ国際航空のマイレージプログラムですが、ヘビーユーザーにとってはメリットがあります。特にエリートステータスを獲得しやすい点はANAや他の航空会社よりもずば抜けています。
タイには日本の企業も出店しており、出張で頻繁に足を運ぶビジネスマンの方もいるはずです。そうした方は、あえてタイ国際航空でマイルを貯める選択肢に一考の余地があります。
以下に具体的なメリットを見ていきましょう。
エリートステータスを獲得しやすい
タイ国際航空にも他の国際航空と同様にエリートステータスが存在します。下から順にシルバークラス、ゴールドクラス、プラチナクラスとあります。ゴールドクラスである場合、エリートステータスを獲得すれば以下の特典がついてきます。
- ボーナスマイルが5,000マイル
- 優先チェックインを利用可能
- 優先搭乗でご案内
- 空席待ちも優先的に案内される
- 追加の荷物20kgまで無料
- 特典航空券の必要マイルが割引される
- タイ国際航空のロイヤルシルクラウンジを無料で利用可能
このエリートステータスですが、タイ国際航空の場合は純粋にフライトマイルだけで獲得することができます。判定期間が最長2年と他社よりも長い点もポイントです。
タイ国際航空のゴールドクラス獲得条件 | |
---|---|
判定期間 | 必要なフライトマイル |
入会月もしくは最終搭乗日から12ヵ月間 | 50,000マイル |
入会月もしくは最終搭乗日から24ヵ月間 | 80,000マイル |
※いずれか片方の条件を満たせばOK |
そんな訳で、タイ国際航空のヘビーユーザーにとってはロイヤルオーキッドプラスでマイルを貯めるメリットも十分にある訳です。タイ旅行がメインであれば、ANAのプラチナポイントを貯めるよりも効率的にエリートステータスを獲得することができます。
タイ国際航空のマイルは買うこともできる
プラスアルファになりますが、タイ国際航空のマイレージプログラムが便利な点がまだあります。マイルを買うことができる点です。
タイ国際航空のマイレージプログラムであるロイヤルオーキッドプラスでは、1,000マイル単位でマイルを販売しています。価格は1,000マイル=1,200バーツもしくは40米ドルです。
これはANAにはない魅力です。中途半端に余ったマイルを補充して特典航空券との交換に利用したり、座席のアップグレードを行ったりすることができるからです。
バンコクへのチケットである場合、ビジネスクラスへのアップグレードに必要なマイル数は下表の通りです。これを見ると、さすがにマイルの購入単価が割高なのが分かります。ただ、中途半端に余ったマイルがある場合には非常に便利な制度です。
バンコクへのフライトをビジネスクラスにアップデート | |
予約クラス | 必要マイル数 |
Y/B/M | 24,000 |
H/Q/S/T/K | 30,000 |
G/V/W | 35,000 |
実はクレジットカードでもマイルを貯めることができる
実は提携カードであれば、タイ国際航空のマイルを貯めることも可能です。
提携しているクレジットカードは有名どころで言えば「アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード」でしょうか。ポイントを貯めることでタイ国際航空のマイルと交換することが可能です。
マイルの還元率は「100円につき3マイル」です。これはAMEXスカイトラベラーズカードの特徴とも言え、非常に高いマイル還元率を誇ります。タイ国際航空のマイルを貯めたい陸マイラーの方には、持っていても良いクレジットカードであると言えます。
AMEXスカイトラベラーズカードの詳細はこちらのリンクからどうぞ。
タイ国際航空とANAのマイル比較まとめ
以上の通り、今回はANAとタイ国際航空のマイレージプログラムを比較し、それぞれの長所をご紹介しました。一口に言って、ライトユーザーであればANAマイレージへの交換が無難な道であると言えるでしょう。
という訳で、要点をまとめたいと思います。
- タイ国際航空のマイルはANAのマイルに積算することができる。
- ライトユーザーであればANAへのマイル積算がおすすめ。色々な用途に利用することができます。
- ヘビーユーザーであればタイ国際航空のマイルを貯めるのもアリです。エリートステータスを獲得しやすく、その多くのメリットを享受できます。
- タイ国際航空のマイルは購入することも可能。特典航空券との交換にあと一歩、というところであれば、購入して補充するのもアリです。
- アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードを持っていれば、飛行機に乗らずにマイルを貯めることも可能です。
ちなみにパッケージツアーでタイ国際航空を利用された方でもマイルの積算は可能です。詳しい内容は以下の記事に記載しました。併せてご覧ください。