旅行業界でも株式業界でも人気のあるANAの株主優待。一般ユーザーにとってのメリットは何と言っても航空券を優待価格で安く買うことができる点です。
もっとも、株主優待だからと言って、馬鹿正直に株主になる必要はありません。フライトチケットを割引価格で購入したいのであれば、優待券を買えば良いのです。
そんな訳で今回は、優待券を使うことのメリットと入手方法の是非についてご紹介したいと思います。
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ANA株主優待券を使うメリット
まず、ANAの株主優待から説明していきましょう。
ある特定の日に企業の株を保有していると株主優待を受け取る権利が獲得できます。この権利が確定する日を「権利日」といいます。ANAでは毎年の3月末と9月末に、この株主優待の権利日を設定しています。
ANAの株主優待は権利日のおよそ2ヵ月後に送付されます。内容はANAの優待パッケージが詰まった小冊子です。チケットを割引価格で買うことのできるチケット割引券の他に、ANAホテルやレストラン等で利用できるクーポン券がとじ込まれています。
もっとも、旅行業界で「ANAの株主優待」と言ったらチケット割引券のことを指します。理由は言わずもがな。ANA株主優待の目玉商品であるからです。
そんな訳で、今回の内容でも「ANA株主優待=チケット割引券」の言葉遣いで話を進めていこうと思います。
ANAの割引チケットで国内線の購入価格を半額に
ANAの優待券が優れている点は、なんと言ってもコストパフォーマンスが高いことでしょう。詳しくは後述しますが、購入価格3,000~5,000円程度で国内線の価格を半額にすることができてしまいます。
例えば「羽田~那覇」であればレギュラーシーズンのプレミアム価格は60,000円前後です。それが株主優待割引を適用すれば36,000円程度に抑えることができるのです。
当然ながら、遠距離路線やプレミアム座席であるほどお得度は増します。そんな訳で、国内旅行のコストパフォーマンスを上げるためにはもってこいの割引券となっているのです。
予約の変更が可能
ANAではプレミアム運賃やFLEX運賃よりも安いVALUE運賃が設定されています。1万円ほど安くなるのですが、問題は予約の変更です。VALUE運賃では予約の変更が利きません。
この点、ANA株主優待では日程やフライトの変更が可能な条件で予約をすることができます。
旅行では何が起こるか分かりませんから、フライトの変更が可能な点は大きな魅力です。
マイルとプレミアムポイントの積算も可能
株主優待でANA便を利用しても、しっかりマイルとプレミアムポイントが貯まります。積算率は75%に落ちますが、それでも高いコストパフォーマンスを誇ります。
そのため、後述するプレミアムポイント獲得修行では好んで使われる傾向があります。もちろん、一般ユーザーがマイルを貯める手段としても優秀です。
ANA株主優待券の入手方法いろいろ
さて、ANAの株主優待ですが、入手方法はいくつかあります。必ずしも株主になる必要はありません。
というよりも、優待券を目的として株主になる方法はあまりおすすめできません。詳しく解説していきたいと思います。
株主になっては損な理由
一般論ですが、株主優待は権利日を越えた翌日に株価が下落する傾向にあります。「権利落ち」と言い、株主優待の権利を手に入れた投資家が翌日から売りに回るために起こると言われています。
ANAの場合はほぼ100%の確率で権利落ちの売りが発生します。
その結果として、株主優待の価値を超えるほどの損失も発生します。はっきり言って、買った方がマシです。
権利落ちの下落を回避するための手段として「クロス取引」という手段もあるにはあります。株の現物買いと信用取引の空売りを併用する(クロスする)という方法です。
これまた欠陥があります。「逆日歩」の存在です。
逆日歩というのは、株の空売りをした場合に発生する支払い金利のことです。やっぱり、株主優待の価値を超えるほどの損失が発生します。こちらは100%とは言いませんが、それでも損する時は割に合わない損をします。
そんな訳で、ANAの株主優待を正攻法でお得に手に入れる手段はおすすめできません。株の取引歴15年の管理人からのアドバイスです。
ネットオークションで落札する
では、株主優待をどのようにして手に入れるか?
お得な方法はヤフオクのようなネットオークションで手に入れることです。簡単な話、株主として優待券を手に入れた投資家がオークションで売りに出しているのです。
大体の相場として3,000円前後で価格が推移しています。
ただし、偽物をつかまされるリスクがあることも確かです。特に優待券の現物を送らないという出品者には注意してください。後ろめたい「何か」があります。
ヤフオクの目利きができない方はちょっと控えた方が良い方法かも知れません。
チケットショップで購入する
最も無難な方法はこちらです。街のチケットショップで手に入れる方法です。
価格は大体3,000~5,000円程度です。
但し、価格が安い場合には注意してください。有効期限が近いケースがあります。ANAの優待券は有効期限が1年間ですので、有効期限が近くなるとチケットショップが安売りをするのです。
とは言え、チケットショップで入手する場合には急ぎで必要なことが多いことでしょう。でしたら、有効期限間近のセール品の方がお買い得かも知れません。有効期限が切れる4月や10月頃の購入がおすすめです。
ANA株主優待券のお得な使い方
優待券を利用する場合に話を戻しましょう。
ANAの株主優待を使うとメリットがあることは冒頭に書いた通りです。では、具体的にどのようなケースに利用できるのでしょうか。
優待券利用でもマイルは貯まる
単純なケースとしては、旅行の費用を下げる目的がある場合です。ただ、その場合に気になるのがマイルの積算率です。株主優待を使うとマイルが貯まらないんじゃないかと気にされる方もいるかも知れません。
そんな気になるマイルの積算率ですが、株主優待を利用した場合は75%です。
これなら、同じく積算率75%のSUPER VALUE運賃と遜色ありません。さらに運賃も安いと来てますから株主優待を使わない理由はありません。
プレミアムポイント獲得修行に利用する
一部のANAマニアは上級会員を目指してプレミアムポイントの獲得修行をしていると思います。そんなANA修行僧も優待券を便利に使うことができます。同程度のPP単価でプレミアムシートを利用できるようになるからです。
羽田~沖縄間のPP単価は以下のようになっています。
予約クラス | 積算率 | 獲得PP | 料金目安 | PP単価 |
---|---|---|---|---|
プレミアム[Premium] | 150% | 6,704 | 121,000円 | 18.0円 |
プレミアム[株主優待] | 125% | 5,720 | 72,000円 | 12.6円 |
普通席[VALUE][株主優待] | 75% | 3,752 | 42,000円 | 11.2円 |
普通席[SUPER VALUE] | 50% | 1,968 | 20,000円 | 10.2円 |
見ての通り、プレミアム株主優待割引の積算率は125%です。結果としてPP単価も安くなり、エコノミー利用時のそれに遜色ありません。
しかも、プレミアムポイントの獲得量も増えます。ANA修行僧にとって、これほどのメリットはないんじゃないでしょうか。プレミアムシートであれば解脱への道のりも楽になるってもんです。
ANA株主優待券の知識まとめ
以上の通り、今回はANA株主優待の豆知識をご紹介してみました。途中で紹介しましたが、株主優待であるからといって株主になる必要は全くありません。街のチケットショップやオークションでサクッと調達してしまいましょう。
要点をまとめたいと思います。
- ANAの株主優待を使うと国内線のフライト料金を半額にすることができます。
- 優待券を入手するために株主になる必要はありません。チケットショップやネットオークションで購入可能です。
- 優待券は旅行コストを下げるのに非常に役立ちます。一般ユーザーはもちろんのこと、上級会員を目指すANA修行僧にもお得な割引チケットです。
- もちろん、優待券を使ってもANAのマイルやプレミアムポイントがしっかり貯まります。
そんな訳で、使ってお得な株主優待。是非とも、次の国内旅行で使ってみてはいかがでしょうか。
じゃあ、お得な海外旅行はどうするかと言えば・・・。
やはりマイルを貯めて特典航空券で旅行するに限りますね。以下の記事ではマイルを効率よく貯めるコツを書いています。是非とも、併せてご覧ください。