フライトマイルと同時に貯まるANAのプレミアムポイント(PP)。年間で50,000PP以上を貯めればプラチナステータスが手に入り、数々のメリットを享受することができます。プレミアムポイントを貯めてSFC会員になろうと計画されている方もいることでしょう。
今回は時間的にも金銭的にも効率的にプレミアムポイントを貯める方法をご紹介しようと思います。
Contents
マイルとは違う!ANAプレミアムポイントとは
最初にプレミアムポイントの概要から説明していきましょう。
プレミアムポイント(PP)とはマイレージプログラムとは別に用意されている、ANAのポイントプログラムです。簡単に言って、ANAユーザーの会員ランクを決定するために使用されます。
PPはANAもしくはスターアライアンスのフライト利用時に貯まり、概ねマイルと同程度の量が付与されます。PPを貯めれば貯めるほど会員資格が上がっていきます。
会員ステータス | 必要プレミアムポイント |
---|---|
ブロンズメンバー | 30,000PP (うち15,000PPはANA利用) |
プラチナメンバー | 50,000PP (うち25,000PPはANA利用) |
ダイヤモンドメンバー | 100,000PP (うち50,000PPはANA利用) |
会員ランクは年間25,000PPを獲得したブロンズメンバーのステータスから用意されています。その後、50,000PP以上,10,000PP以上の枠組みでプラチナメンバー、ダイヤモンドメンバーとステータスが上がっていきます。
当然ながら、会員資格が上がると数々のメリットが生まれます。
ANA上級会員になることのメリット
ANAの上級会員になると、数々のプレミアムサービスを受けることができます。
プラチナメンバーの場合、ざっと言って以下の権利が付与されます。
- 優先チェックインカウンターを利用可能
- ANAのVIPラウンジを利用可能(無料)
- 専用保安検査場を利用(手荷物検査を時短できる)
- 空席があればプレミアムエコノミーに無料アップグレード
- 申し込み可能な座席の指定範囲が拡大(特典航空券を予約しやすくなる)
- スターアライアンスのゴールド会員資格を獲得できる
これらのメリットがあるため、多くのANAユーザーが会員ランクの獲得に躍起になっています。確かに非常に魅力的なメリットが多いステータスです。チャンスがあれば、是非とも資格取得にトライして頂きたいと思います。
SFC会員になるために目指すべきゴール
さて、これから上級会員を目指す場合、一般にはプラチナステータスを獲得することがゴールになります。理由はスーパーフライヤーズカード(SFC)会員の資格を得ることができるためです。
SFC会員とは、ANAの特別プログラムであるスターフライヤーズカードを持つ上級会員のことを指します。SFC会員はプラチナメンバーとほぼ同等のプレミアムサービスを受けることができます。
プラチナメンバーは一年限りの資格ですが、SFC会員はカードの年会費を払い続ける限り半永久的に資格を維持することができるのです。
SFC会員ですが、一般のユーザーには入会資格がありません。というのも、SFCに申し込むにはANAからのインビテーション(招待)が必要であるからです。そのインビテーションを受けるには、ANAのプラチナメンバー資格を得る必要があります。
そんな訳で、SFC会員を目指してプレミアムポイントを貯める場合、当初のゴールはプラチナステータスの条件である50,000PP(内25,000PPはANA便を利用)となる訳です。
ANAプレミアムポイントの計算式と具体例
プレミアムポイントを貯めようと思ったとき、まず覚えておきたいルールがあります。それはフライト地域によって獲得できるPPに差が出ることです。
獲得できるプレミアムポイントは以下の計算式で求まります。
獲得PP=
フライトマイル×予約クラス毎の積算率×路線倍率+搭乗ポイント
ここでフライト先の目的地を選ぶ際に重要になるのが「路線倍率」です。というのも、フライト先の地域によって大きく倍率が変わるからです。具体的には以下の通りです。
- 国内路線:倍率2倍
- アジア・オセアニア地域:倍率1.5倍
- その他の地域:1倍
これを見ての通り、国内路線とアジア・オセアニア地域へのフライトが優遇されていることが分かります。そのため、プレミアムポイントを効率的に貯めようと思った場合、国内路線もしくはアジア・オセアニア地域を重点的に攻めることが重要になってきます。
そんな訳で、以下にはチケット料金と併せて記載しながら、アジア・オセアニア地域のフライトで貯まるプレミアムポイントを具体的にご紹介していこうと思います。
羽田~沖縄線の獲得プレミアムポイント
まずは沖縄旅行を例にプレミアムポイントを計算してみましょう。国内路線はパスポートいらずで便利ですし、その気になれば日帰りだって可能です。
フライト費用と獲得プレミアムポイント(獲得PP)の目安は以下の通りとなっています。
予約クラス | 積算率 | 獲得PP | 料金目安 | PP単価 |
---|---|---|---|---|
プレミアム[Premium] | 150% | 6,704 | 121,000円 | 18.0円 |
プレミアム[株主優待] | 125% | 5,720 | 72,000円 | 12.6円 |
普通席[VALUE][株主優待] | 75% | 3,752 | 42,000円 | 11.2円 |
普通席[SUPER VALUE] | 50% | 1,968 | 20,000円 | 10.2円 |
遠距離の国内路線では、PP単価(1PP当たりに掛かる費用)が10円弱で済むことが魅力です。さらにANAの株主優待券を使えば料金をぐっと抑えることも可能です。
もっとも、1度のフライトで貯まるPPが少ないことが玉にキズでしょうか。まあ、努力を重ねてプラチナメンバーを目指したい方にはおすすめの方法です。
余談ですが、そんな努力家肌のユーザーを巷では「ANA修行僧」と呼ぶようです。修行僧の中にはPP単価を7~8円にまで抑えるツワモノもいるとかいないとか・・・。。
沖縄路線は閑散期になるとチケット代が安くなります。オフシーズンに集中してフライト数をこなせば、PP単価をさらに抑えることも可能です。
東京~シンガポール路線の獲得PP
国内路線と併せて、アジア・オセアニア地域も路線倍率が1.5倍のお得路線です。そのため、シンガポールのようなアジアでも遠い方にある国にまで旅行をすれば、相応のプレミアムポイントが貯まります。
羽田からシンガポールへのフライトで貯まるPPと料金目安は以下の通りです。
予約クラス | 積算率 | 獲得PP | 料金目安 | PP単価 |
---|---|---|---|---|
ビジネス[Z] | 125% | 13,220 | 248,000円 | 18.8円 |
プレミアム エコノミー[G][E] | 100% | 10,736 | 167,000円 | 15.6円 |
プレミアム エコノミー[N] | 70% | 7,754 | 125,000円 | 16.1円 |
エコノミー[W][S] | 50% | 4,968 | 67,000円 | 13.5円 |
さすがに国内路線よりはPP単価が割高になるものの、なかなかに優秀な路線となっています。ANA修行僧にも人気があるらしく、シンガポールまで行ってその日のうちにとんぼ返りする「SINタッチ」なるものが流行っているとかいないとか・・・。
まあ、一般ユーザーにとってポイントになるのは、シンガポールはハブ空港なので色々な方面へのフライトや割安なフライトが出ていることです。数あるフライトの中から格安路線を選べば、さらにその先の旅行を割安に楽しむことも可能です。もちろん、スターアライアンス加盟の航空会社を選んでPPを貯めることをお忘れなく。
東京~シドニー路線の獲得PP
オーストラリアも優秀なPP優遇路線となっています。ポイントになるのは、長距離なので多くのPPを一度に貯めることができる点でしょう。PP単価もシンガポールに負けず劣らず優秀となっています。
予約クラス | 積算率 | 獲得PP | 料金目安 | PP単価 |
---|---|---|---|---|
ビジネス | 125% | 19,036 | 329,000円 | 17.3円 |
プレミアムエコノミー[G][E] | 100% | 15,388 | 240,000円 | 15.6円 |
プレミアムエコノミー[N] | 70% | 11,012 | 158,000円 | 14.3円 |
エコノミー[W] | 50% | 7,294 | 105,000円 | 14.4円 |
もっとも、表のフライト料金はあくまで「目安」です。というのも、シドニーへのフライトは料金の変動が激しいため一定に落ち着くことがないからです。当然ながら、閑散期ともなればチケット料金も安くなります。
そんな訳で、凄腕のANA修行僧の中にはPP単価を10円台に抑えるツワモノもいるとかいないとか・・・。PPを大量に獲得したい場合におすすめの路線です。
プラチナメンバー獲得に掛かる費用の概算
ついでですので、SFC会員になるために必要な費用の話をしておきましょう。
前述の通り、SFCのインビテーションを受けるためにプラチナメンバーになるには50,000PP貯める必要があります。この50,000PPをご紹介したPP単価で割ってやれば概算費用を出すことができます。
最小費用はざっと言って50万円です。
これは羽田~沖縄のような国内遠距離路線を利用してPP単価10円とした場合の計算結果です。国内路線のみで修業を続ければ、最小費用でANA上級会員のステータスを得ることができます。
ただ当然ながら、フライト数も相当にこなさなければなりません。人によっては面白くない休日が続くことになるかも知れません。
楽しみながらSFC会員を目指す場合に掛かる費用
個人的にはアジアやオーストラリアの旅行を楽しみつつ、並行してプレミアムポイントを貯める計画をおすすめしたいと思います。ビジネスクラスも併用すると加速度的に獲得PPが増えていきますからね。
ビジネスクラスを含む割高な路線も併用すると、必要な費用はホテル代も合わせてトータル120万円といったところでしょうか。
もっとも、これはあくまで必要なお金の話です。上級会員のステータス獲得に必要なのは、実は十分な「時間」です。働き方改革も始まったことですし、うまく有給休暇をやりくりして上級会員を目指したいものですね。
ANAプレミアムポイントのまとめ
以上の通り、今回はANAプレミアムポイントを効率的に貯める方法をご紹介しました。出張や旅行の計画がたくさんあるなら、是非ともトライしてみたい制度ですね。SFC会員にはメリットがたくさんありますから。
今回の要点をまとめたいと思います。
- ANAプレミアムポイントを貯めると上級会員になることができます。目指すべきゴールはSFC会員の資格となるプラチナメンバー(50,000PP)です。
- プラチナメンバーやSFC会員になるとメリットがたくさんあります。優先チェックインカウンターや無制限のVIPラウンジ利用など、魅力盛りだくさんのステータスとなっています。
- SFC修行にシンガポール便やシドニー便を利用すると効率的にPPを貯めることができます。最小単価は羽田~那覇便のような国内便ですが、数をこなす必要があります。
- 掛かる費用は50万円から120万円と幅があります。予算と時間と気力を天秤に掛けながら旅行計画を練りましょう。
という訳で、プレミアムポイントの貯め方をご紹介してみました。ただ、これはあくまで予備知識に過ぎません。折角、たくさん飛行機に乗るのですから、プレミアムポイントと合わせてマイルもたくさん貯めたいですよね。計画段階では別の準備も必要です。
旅の準備段階として、効率良くマイルを貯めるにはクレジットカード選びも欠かせません。そんな方にはイチオシのクレジットカードがあります。これからを選ぶ方は、是非とも以下の記事も参考にしてみてください。